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未来にやさしい
ものづくりに向けて
私たちにできること

研究開発 仙台研究室

F.K.

使用済みのエレマ発熱体を
リユース/リサイクル

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、近年、多くの企業がSDGs活動に取り組みはじめています。こうした社会の流れに対応するため、東海高熱工業も2019年からSDGs活動に取り組んでおり、これまでいろいろな試みにチャレンジしてきました。そのひとつが、当社のメイン製品のひとつであるエレマ発熱体のリユース/リサイクルです。エレマ発熱体とは、工業炉の熱処理で使用する炭化ケイ素発熱体で、1,600℃にも耐えられる耐熱性や、腐食耐性に優れているのが特長です。

エレマ発熱体に着目したのは、お客さまから取り替えのタイミングなどで相談があった際に先方で使用されている製品を確認すると、発熱体の端部がほとんど劣化していないことがわかったことがきっかけです。それまで使用済みのエレマ発熱体はお客さまが処分されていたのですが、それをリユースできるのではないかと考えたのです。さらに、使い終わった発熱部やリユースできない端部も耐火物などの副資材としてリサイクルする計画を立てました。

再利用の流れ

  1. STEP01

    お客様から
    使用品を回収

  2. STEP02

    仙台工場にて付着物の検査、端部/発熱部に切り離し

  3. STEP03

    端部

    発熱体端部にリユース

    発熱部・
    再利用不可端部

    耐火物等にリサイクル

  4. STEP04

    納入

    再利用品は新品同様に!

リユースを可能にしたのは
当社製品の高い品質

エレマ発熱体のリユース/リサイクルの流れを簡単に説明すると、まず、使用済みとなったエレマ発熱体を当社が無償でお客さまから回収し、鉛やヒ素など毒性の付着物が付いていないか、元素分析を行なってチェックします。それから、基準を満たしたものを加工して表面をきれいにし、端部と発熱部を切り離します。劣化していない端部は、再びエレマ発熱体の端部としてリユース。リユースできない端部と発熱部は専門業者に売却し、そこで加工されて耐火物の副資材としてリサイクルされています。

発熱体のリサイクルを行なっているメーカーはありますが、リユースをしているメーカーは今のところほとんどないのではないでしょうか。そんなむずかしい取り組みを可能にしたのは、当社製品の品質。先ほど話したように、1,600℃にも耐えられる耐熱性や耐久性があるからこそできることなんです。

回収した発熱体の100%リユース/リサイクルを実現

エレマ発熱体のリユース/リサイクルは、研究から実施まで約2年半の月日を要しました。技術的には大きな問題はなかったのですが、環境省の広域認定制度の認定を受けるまでに時間がかかったのが主な理由です。認定を受けるためには単に活動内容を示すだけでなく、本当に回収した製品をすべてリユース/リサイクルできるのか、さらにリサイクルに関しては、どのような製品に使われるのかまで明らかにする必要があるんです。提出する書類だけでも100項目近くあり、予想以上に苦戦しました(笑)。

こうしたプロセスを経て、エレマ発熱体のリユース/リサイクルを開始しました。今のところ、計画通りに回収した発熱体の100%をリユース/リサイクルできています。まだ開始して日が浅いため、当初目標としていた回収率10%には届いていませんが、着実に回収率は増えている状況で、手応えを感じています。
この取り組みの効果としては、約1tの端部をリユースすることで、一般家庭3世帯分の年間使用電力を削減することができ、それに伴い当社とお客さま双方のCO2削減、コストダウンにつながっています。
今後は営業担当と協力しながら、リユース/リサイクルの部署が必要になるくらいに推進していきたいと考えています。

ポイント

  1. 01.回収したエレマ発熱体の100%リユース/リサイクルを実現
  2. 02.当社製品を無償で回収することで、お客さまによる産廃処理をゼロに
  3. 03.当社とお客さま双方のCO2削減、コストダウン

Other Case

CO2排出量削減の取り組み

  • エレマ発熱体低温検査

    エレマ発熱体の出荷前の検査では、通常1,000℃まで上げて抵抗を検査するところを、一部の製品については850℃で実施。これにより消費電力の削減を図っています。

  • 社用車のEV化

    世界で社用車のEV化が注目されるなか、当社は2023年7月から社用車をEVへ。脱炭素化に貢献しています。

  • 太陽光発電設備の導入

    仙台第三工場にPPAモデルの太陽光発電設備を導入し、消費電力の削減、脱炭素化を目指しています。